HAさまの件。
患者さまの状態
多系統萎縮症の患者様でほぼ全身が麻痺した状態でした。
自発呼吸が可能で、酸欠の時以外は呼吸器の必要もなく顔色も良かったです。
関節の拘縮が見られ、肩や肘、指も硬く。こちらが動かすと力が入ってしまう様子でした。
左右の股関節が屈曲(上げる)すると痛みがあ利、顔が引きつること以外は身体に痛みや変調は無い様子でした。
皮膚がどうしても弱くなってしまうので、湿疹や発赤がチラホラありました。
皮膚を擦らないように施術する必要があります。
もちろん状態が悪い時は接触を避けねばなりません。
上肢の拘縮は軽い方だったのですが、これは「ボトックス注射」を定期的に施していることが大きかったです。
*ボトックス注射
*ボトックス注射筋肉を柔らかくする注射。患部の筋肉に投与することで一定期間筋肉が柔らかくなります。肘が曲がらずに更衣動作(着替え)が難しい場合などに使われることが多いです。
意思の疎通が難しかったですが、まばたき(目)で合図したり、少しうなずいて返事をしてくれました。
犬が2匹。
とても元気の良い犬が2匹。いつも尻尾を振ってお出迎えしてくれました。なかなか撫で回したり遊ぶことが難しいかったのでもう少しゆっくりすればよかったと思います。
猫が4匹。
犬だけではありません。猫も4匹。
年配の子が3匹で少し若いのが1匹。残念ながらガンの子が亡くなり、それを追うように年配の2匹が亡くなってしまいました。今では少し若い子が犬2匹と元気に暮らしています。
実は私。猫アレルギーです。近くでスリスリされたり顔の前でゴソゴソされたら目や鼻が痒くなってしまいます。
ですから寄ってこない子や訪問で30分近く滞在するぐらいなら大丈夫ですが猫屋敷だと痒みが出てしまうかもしれません(笑)
一度、仕事で掃除がされていない猫屋敷に施術に行きましたが目が真っ赤になり痒みが出てしまいました。
普通に猫がいるだけなら問題ありません。
体調が良く、ご病気も少ない患者さまでした。
この方も体調が安定していましたので長期間お休みも無く継続できました。
心残りは本人さまと会話が出来なかったこと。
仕方のないことですがやはり会話(キャッチボール)があればお互いに気持ちが通い合います。
心が無いわけではありませんが、こちらは時折心配になります。
もっとさすって欲しいのではないか?
そこよりもっと下をして欲しいのではないか??
力が弱いのではないか?
もしくは少し強いのか??
今日は肩より足の方が気になるのではないか??
と考え、時には不安になります。
その場合は(気になった場合)とにかく聞くようにします。ポイントはイエス・ノーで返せる質問にすることです。
「〇〇さん、ここは気持ちいいですか?」
「力の入り具合は弱くないですか??」
あまりくどくならないように聞いていきます。それでも痒い場所やもっとして欲しいところなどの細かい聞き取りは出来ない分、懸命に手と身体を動かします。
1番力になるのはご家族です。
常に身近で居る人の観察力や目線はいつも的確です。
患者さまの様子や体調の上下をいつも気にされているので施術前にはいつもヒアリングをします。
もちろん聞かずに把握できれば(痒いところに手が届く)1番いいのですが、これでいいと思ってしたことが相手に必要で無かったり最悪マイナスになる可能性もあります。
思い込みや独りよがりな仕事は問題があると思いますので偏らないように常に注意しているつもりです。
HA様は最後まで会話はできませんでしたがその分して欲しいことを察して行動したつもりです。本当に的を得ていたかは解りませんが(笑)
思いを口にできればとても楽です。中には気を使って何も言わない方もいます。そういう方は不満をため込むので時に爆発することがあります。
お年寄りはブレーキが効かない方もいるので言ってしまって後悔してるけど取り消したり誤ったり出来ずそのまま気まずくなってしまう方もいます。
ただそうした問題があったことで施術やリハビリに穴が開いてしまうと健康を維持するのが難しくなったりADLが低下してしまうことがあります。
ですから信頼してもらってお互いが素直に意見を言い合える状態を作って行くことが大事だと感じています。
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